第一次修正予算・特別措置法が成立
東日本大震災からの復旧に向けた国の補正予算が5月2日に成立しました。
財源は追加国債を発行せず、子ども手当の減額や基礎年金国庫負担の年金特別会計への繰り入れ減額など、歳出の見直し等によりまかなわれます。
雇用・労働関係予算の1兆1,130億円は、助成金の拡充や就労支援を行う事としています。そこで年金・医療・労働の主な特別措置について見てみましょう。
厚年保険料・健保・介護保険料免除の特例
災害地域における事業所において、震災で賃金の支払いに著しい支障が生じている場合、厚生年金保険料や健康保険料、介護保険料が免除されます。又、被災で事業が影響を受け、賃金に著しい変動があった場合、賃金に変動の生じた月から標準報酬を改定する事ができます。
遺族基礎年金等の支給事由の特例
通常、行方不明者については、民法第30条2項により、1年後に失踪宣告が行われるまでは死亡の確定ができない為、遺族基礎年金も受けられません。今回は3ヶ月間生死不明である場合でも震災当日死亡したものとして遺族基礎年金が支給されます。
労働保険料の免除
平成23年3月11日に適用事業場が特定被災区域にあり、震災で賃金の支払いに著しい支障が生じている場合、最長で23年3月から24年2月までを免除対象期間として労働保険料の免除が受けられます。
労災保険の遺族(補償)年金特例
労災保険の遺族年金は、震災後3ヶ月間生死不明者や3ヶ月以内死亡者の遺族に対し、遺族(補償)年金が支給されます。
雇用保険の延長給付の拡充
特定被災区域(東京都を除く)の適用事業所で働いていた人で、震災で失業・休業状態を余儀なくされた場合に受給できる雇用保険の基本手当は60日分の個別延長給付が受けられますが、さらに60日分が加えられます。
助成金の拡充
雇用調整助成金、中小企業緊急雇用安定助成金は、これまでの支給日数に関わらず、今年3月11日から1年間に開始した新たな休業について最大300日分を助成金の対象としました。又、特定求職者雇用開発助成金を拡充し、被災者の転職や被災地域に住む求職者を雇用した事業主には、中小企業では90万円が支給されます。