納付すべき相続税が10万円を超え、かつ金銭で納付することが困難な場合には、担保提供を条件として相続税の元金均等年払いによる延納を行うことができます。
その相続財産に占める不動産等の割合に応じて延納期間(~20年)や利子税率(2.4%~3.7%程度[公定歩合が0.5%の場合])が変わります。
納付すべき相続税が10万円を超え、かつ金銭で納付することが困難な場合には、担保提供を条件として相続税の元金均等年払いによる延納を行うことができます。
その相続財産に占める不動産等の割合に応じて延納期間(~20年)や利子税率(2.4%~3.7%程度[公定歩合が0.5%の場合])が変わります。
相続税を納めることが延納によっても困難な場合は、一定の条件のもとに相続財産を現物で国に納付します。物納財産は国が管理・保管するため、厳しく制限されています。
ここでの物納の価格はその財産の相続税評価額となります。時価と評価額との兼ね合いを検討し、評価額が時価よりも高い財産から物納していくほうが得策となります。
物納に充てることができる財産とその順位
第1順位 … 国際及び地方債 不動産及び船舶
第2順位 … 社債・株式および有価証券
第3順位 … 動産
財産が不動産に偏っている場合、納税資金不足に見舞われることが大変多いです。
これらの偏ってしまっている不動産について採算性を検討し、その処分等により納税資金となる金融資産への組み替えを検討するのが良策となります。
不動産の採算性は、それぞれの不動産について、ここ何年かのその不動産が貢献した所得だけでなく資金繰りも検討しなければなりません。
所有する土地に貸マンションを建築したけれども借入依存度が高く、その借入金の元本返済がネックとなって、所得としてはあがっているのにお金が残らないという場合は多々あります。
この様な場合も処分等の検討対象不動産となります。
もう一つが貸宅地の問題です。
所有している土地に借地権を設定している宅地です。
固定資産税に比べて年間地代が余り獲得できず、相続税評価額は結構高額となる物件です。
将来の相続税を隠れた債務と捉えた場合、貸宅地は採算性だけでなく、隠れた債務である相続税負担の上で大きな問題となる場合がかなり多いのではないかと思います。
これらの採算性の悪い物件や貸宅地については、見直しをした上で、処分やその他の方策等により、納税資金のための金融資産やキャッシュフローに貢献する優良物件等に組み替える必要があります。
いずれにせよ、納税資金不足が予想される場合が、相続税の問題の中では一番大きな問題です。
相続が発生した場合、「突然多額の相続税を納付しなければならない。が、遺産のほとんどは不動産で現預金は少ない」といったケースにおける相続税の納付財源をどう調達するか、比較的簡単な手続きで有効な対策が生命保険への加入です。
相続が発生した場合、どれぐらいの相続税となるのか、この税額計算が必要です。そして、物納や延納、あるいは不動産の売却といった方法を用いてど れぐらいの税額を納付することが適当かを考慮しつつ、生命保険金で納付したい額を設定したうえで、契約する保険金額を設定します。
現在あなたの契約している保険の受取人は配偶者になっているケースが多いと思います。しかし、配偶者の軽減措置がある関係上、相続の多くの場合、 配偶者が多額の相続税を負担するケースはほとんど存在しません。相続税の納付で困るのは子供達ですから、受取人は子とした保険契約が有効です。
配偶者である妻が受け取った生命保険金で、子供の負担すべき相続税を納めると、妻が子供に「贈与」したことになり、贈与税が課税されることがありますので注意が必要です。
cat_top