日赤・共同募金への寄附がふるさと納税
東北関東大震災義援金として日本赤十字社や中央共同募金会などに寄付する場合にも『ふるさと納税』扱いとなる、との見解が総務省のホームページで公表されました。
寄附なんて扱いは同じだと思っていたのに、何がどう変わるの?と不思議がる人も多いかと思われますので、少し解説します。
住民税の寄附金控除
住民税での寄附金控除には、ふるさと納税控除と一般の寄附金控除があります。
都道府県・区市町村への寄附がふるさと納税です。住民税の10%を限度におよそ寄附額の5000円超の部分が所得税と合わせて税控除となります。
それに対して、一般の寄附金は住民税で寄附額の10%(所得税ではその人の上積み税率)が税控除となります。
一般の寄附金のうち、①日本赤十字社や共同募金会への寄附金は居住地の都道府県支部へのものに限定、②その他は各自治体条例で定めたものに限定、となっています。
超法規的といえる扱い
居住地支部でない日本赤十字社や中央共同募金会への寄附は、住民税の寄附金控除の対象になるか否かも問題になるところなのに、それを総務省見解はふるさと納税寄附金になる、というのです。
前例もある
義援金が、被災地方自治体を含む義援金配分委員会で配分され、被災者に届けられるものなので、都道府県・区市町村への寄附とみなせる、という解釈です。
宮崎県口蹄疫被害義援金のときには、個人が宮崎県共同募金会に支出した寄附金は宮崎県への寄附金とみなす扱いにしました。
前例があるわけですが、今回は、県ではなく中央共同募金会への寄附までその範囲を拡げました。
結果オーライですが
大方の人にとっては、税負担の軽減となるから寄附をしているわけではないと思います。しかし、被災地都道府県・区市町村へ寄附をした人と、日本赤十字社や中央共同募金会へ寄附した人とで、予期せぬ税負担の減少の差を生じさせるとしたら、制度の不合理には不満が出るかもしれません。
従って、超法規的扱いとは言え、結果オーライということなのでしょう。ただ、超法治国家には危惧が生じます。