道路と土地の評価

不動産に関わる仕事をしている人以外は、普段、道路を意識することはありません。しかし、道路と土地の価額は、密接に絡み合っています。土地の価額は、土地それ自体の形状も大きく影響しますが、道路によって決まると言って過言ではありません。

通常、土地は、そこに建物を建てて使用することから道路に接していなければなりません。ここから、建物建築について規制している建築基準法が関わってきます。

(1)接道義務、建ぺい率、容積率
つまり、前面道路が建築基準法上の道路に該当しないとき、また、敷地が原則として幅員4m以上の「道路」に2m以上接していないときは(このことを「接道義務」と言います)、原則、建物を建てることはできません。これでは、土地の価値は著しく減額します。

一方、商業地区では、前面道路の幅員が広ければ、一般的に、敷地面積に対する建物の床面積の割合が大きく(このことを「建ぺい率」と言います)、また、敷地面積に対する建物の延床面積が何倍にもなり(このことを「容積率」と言います)規模の大きい建物が建てられ、その土地の利用価値は高まり価額も高くなります。

(2)建築基準法上の道路は6 種類そこで、「建築基準法」では、基準法上の道路に該当するものとして、6 種類掲げています。次の通りです。

①道路法による道路
幅員4m以上で道路法による路線の指定を受けたもので、いわゆる公道です。
②都市計画法等による道路
開発許可等で築造された道路です。
③既存道路
建築基準法施行時、既に存在していた幅員4m以上の道路です。
④計画道路
法律等で2 年以内に事業が行われるものとして特定行政庁が指定した幅員4m以上の道路です。
⑤位置指定道路
私道で幅員4m以上あり、特定行政庁から位置指定を受けた道路です。
⑥特定行政庁指定既存道路
通称、2項道路と呼ばれ、幅員4m未満1.8m以上で、道路中心から2mセットバックが義務づけられている道路です。

土地の取得・評価に際して、道路に疑問をもったら、区・市役所などの建築指導課等で確認してみることが重要です。